境界の復元の依頼を受けた土地の対側地に既に境界標がしっかりと入れられていた場合、ちょっと悩ましい時があります。
調査側の境界をチェックする時に、当然、その対側地の境界標についても、実測して、チェックします。
場合によっては、その対側地の奥行きについても、更にその先の敷地の形状についてもチェックします。
トラバーや境界も、複数探します。
こちらの出した境界線上よりも、ひっこんだ線上にそれらの境界標が入っている場合、スルーします。
わざわざ、対側地の所有者に、実際の境界より、引っ込んでますね~なんてことは言いません。
官地との立会いで、官地は確保されていますね、とは言いますが、対側地の敷地についてどうこうは言いません。
ほぼ、こちらの考えるのと同じ場所にきている場合も同じです。
問題は、どう考えても、境界線上よりもはみ出して、境界標が入っている場合です。
しかも、誤差とかなんとかでスルーできないぐらいに、大きく・・・
分筆など、法務局に提出する書類がある場合には、調査素図で、解説をします。
これこれ、こういう理由で、こちらの境界のほうが、確実性が高いと考えると説明します。
というか、そういう説明ができる自信が持てるぐらいに調査してからでないと、申請できません。
場合によっては、これこれこういう理由によって、対側地側の境界は決定されたものと推測されるという説明というかフォローというか、もします。
当事務所だって、同じ間違いをしていない保証はないと考えるとこの仕事は本当、怖いな~と思います。
でも、もしも、あんまり深く突き詰めないで仕事を進めてしまうなら、対側地のある現場は結構簡単です。
だって、対側地の境界を元に、調査する土地の境界をチェックをして完了にしてしまうこともできない訳ではないのだから。
人足的にも労力としても、代金を安くできるので、ひょっとしたら、お客さんからすると、とにかく境界ができればいいということで、そういう仕事のほうが好まれるのかもしれません。
自分の土地ではない、不動産屋さんとか、特に安ければそれでいいになりがちなのかもしれません。
しかし・・・当事務所ではなかなかそれはできかねます。
怖すぎるでしょ。